本文へスキップ

 Creation and photochemical conversion of artificial leafs

研究計画research projects

2018年度研究計画

@プロトタイプセルの作製と評価法の確立

先行研究を参考に、左図に示した構造でプロトタイプの人工葉ならびに水の光分解反応を行うセルを作製する。それを用いて、発生ガスの定量、材料の基礎物性、劣化試験などの評価方法を確立する
候補となる半導体層 無機半導体: GaInAs/InP量子井戸構造InAs量子ドット構造 有機半導体: 高バンドπ共役系高分子 無機有機ハイブリッド半導体:3次元、2次元鉛ハライド化合物

A実反応場を考慮した多階層量子シミュレーションの確立

高活性かつ高信頼性を有する不均一触媒系の理論設計に挑むために、実反応場を考慮した多階層量子シミュレーション手法を開発・実装し、実験だけでは解析困難な表面・界面近傍での触媒反応機構を理論的に解明する。  そのために、様々な反応活性部位で局在基底を用いた量子化学計算だけでなく、不均一反応場の電子状態を記述するための平面波基底を用いたバンド計算や、溶媒などの周辺環境を取り込むための分子力場計算を、多階層的に同時に取り込む手法を開発する。 同様に、@に示した光活性層の候補となるいくつかの無機半導体と有機半導体の計算を行い、使用材料の選定を行う。特に、近年注目されているペロブスカイト型鉛ハライドの計算を行う。この材料は次元性の制御により、異なるバンド構造を持つ材料を提供することができる。有機材料としては、ポリチオフェンなどのπ共役系高分子を中心に行う。


2019年度研究計画

     

@酸化電極と還元電極の構築

水から水素を生成する還元電極と水から酸素を生成する酸化電極は、高効率デバイスのために重要な要素となる。特に反応活性を向上するための触媒の必要性、光活性層である半導体の耐水性を担保するための水遮断能、さらには酸化還元反応に耐えうる化学的な耐久性などを考慮して設計する必要がある。ホール輸送層としては、ホール・プロトン両伝導性ジブロック共重合体を用いる。これらの材料は、ホール輸送性のあるπ共役系ブロックとプロトン輸送性のあるポリフェニレンブロックからなり、ミクロ相分離構造により右図のような柱状の相分離構造の形成が可能である。このようなナノオーダーによる界面形成により、反応界面の増大が期待できる。

A新規人工葉の作製

     

計算結果から抽出した組み合わせをもとに、新規人工葉の作製を行う。オリジナリティをできるだけ高めるために、無機材料と有機材料のハイブリッド化を重点化して、両材料の利点を最大限に活用することで、さらなるシナジー効果を期待する。  
得られた新規人工葉の水分解能の初期評価を行い、その結果をシミュレーター設計と材料設計にフィードバックする。

B新規人工葉の基礎物性の評価

 

れぞれの材料(活性層、酸化電極、還元電極、触媒など)の半導体特性、ホール輸送性、電子輸送性、触媒活性などの基礎物性の評価を行い、シミュレーションの基礎物性値として活用する。


2020年度研究計画

@人工葉の最適化

2019年度までの結果をもとに、光活性層、電子輸送層、ホール輸送層、触媒などの材料の最適化を行う。さらにシミュレーションで得られた結果をもとに、人工葉の組み合わせの最適化を検討する。最適化した人工葉を用いた光水分解の試験を行い、人工葉の構造と光水分解特性の関係、また特性向上のための支配因子を明らかにする。さらに、この結果をシミュレーターにフィードバックすることで、シミュレーターの完成度を高める。

     

A新規半導体と特殊界面の合成

無機半導体の活性層として、量子井戸構造、量子ドット構造、未知の半導体の計算も行い、必要とされる半導体構造を明らかにする。この構造を実現するための合成手法を検討し、新規半導体の合成を試みる。同様の検討を電子輸送層とホール輸送層についても実施することで、材料面でのオリジナリティを高める。光捕集効率や反応効率を高めるためには、効率的なホールと電子の輸送、および反応界面の増大が求められる。これを実現するために、単なる積層構造からシリンダー構造やカラム構造の界面形成を試みる。無機半導体においては、左図のように直立したナノワイヤの周りに有機層等を積層させる。高分子半導体では先に示したジブロック共重合体によるミクロ相分離の利用を検討する。  *左図:InP/GaInAsナノワイヤと有機ハイブリッド構造

B人工葉の耐久性評価

得られた人工葉の耐久性試験を行い、酸化還元反応に対する耐久性、水素脆性の観点から、寿命の予測を行う。


人工葉の創成とその光化学変換

〒102−8554 
東京都千代田区紀尾井町7−1

上智大学 理工学部

物質生命理工学科

機能創造理工学科